出発前4

終業時刻の迫った旅行会社、ずっと怒ってるEちゃん、変な汗と笑いが出る私、ドン引きしてるお姉さん。結構な修羅場であった。Eちゃんは色んな国に行ったことはあっても、添乗員同行ツアーしか行ったことのない保守的な子なので、フリープランにそもそもの不安を抱えていた。それに加えて、私は大人になったとはいえ割とフラフラ何処かへ行ってしまうタイプの人間。「日本にいる時から連絡つかないなら無理だよ!」と爆発してしまったのであった。そりゃこの旅行会社、よくわからない入口だったけど、子供じゃないんだからそこは入って来てくれよ…と心の中で思ったが火に油を注ぐようなことをしている時間は我々にも、お姉さんにもないのだ。結局その日はヘルシンキストックホルムコペンハーゲン8日間のツアーを試算してもらい帰ることにした。

高層ビルを降り、とりあえず喫茶店に入る。すでに19時を過ぎていたが、お腹は空いていないとのことだったので、それぞれにコーヒーを頼み向かい合い座った。到着時よりも落ち着いてはいたが、少し気まずい雰囲気が流れる。当たり前のことしか言わない!とお姉さんをdisりだすEちゃん。三ヶ国を周るツアーに、荷物を持っての移動につぐ移動に対しての不安を口にしていた。私はツアーになっているのだから大丈夫なんじゃ…と思っていたし、スタンプラリーの如く多くの国のハンコが欲しかったので説得したのだが、そこの話し合いは平行線で終わった。(行った今となってはEちゃんの言い分は正論だと思う)

話が進まないままいい時間になってしまい、今日のところは解散となった。とにかく勝手な行動はしないから、となんとかなだめすかし駅に向かう中、我が家に向かうのに都合のいいバスが止まっているのを見つけた。あ、私あのバス乗るから!じゃあね!と速攻でバスに乗り込む私。行ったそばから勝手な行動をしている事に気付いたのは、乗ってからしばらく経ってからだった。