出発前6

翌朝になってもEちゃんからの返事はないままだった。勘弁してくれと思いつつ、返事がないのは揺れているのだろうなということも伝わって来た。丸一日経ち、他の友達でも誘おうか、という所で待ちに待った返事が返って来た。

“1日経って少し落ち着きました。こちらこそ、ごめん。一人で海外に行く勇気はないし、北欧に興味はあるのでこの機会に行って見たいです。”

行きたい気持ちが勝ったのだ。私は大いに笑った。Eちゃんに知られないのをいい事に腹の底から笑った。この素直な所がEちゃんの美点である。そのLINEにはしっかり下調べすることと、”ヘルシンキコペンハーゲンでお土産が買いたいのでスーパーには必ず行きたいのでよろしく”と付け加えてあった。

スーパー。そういえば計画の初期段階から何度か言っていたような気がする、スーパー。現地の人間が買うようなものをチェックしたいだとか、そういうことではどうやらないらしい。確認すると、iyamaというコペンハーゲンにある少女のマークの高級スーパーに行きたいらしい。実際私が購入した観光ブックにも紹介されており、可愛いことで有名とのことだ。スーパーに行かないとは一言も言った覚えがないのだが(ヘルシンキコペンハーゲンはすぐ見終わるという情報を得た時に、その分ストックホルムに割こうだとか、そういうことはいったかもしれないが)

Eちゃんのiyamaに対する執念というか主張は物凄く、とにかくそのスーパーに行く情熱が伝わってきたので、その後からご機嫌を損ねないようにスーパーには行くということを何度も伝えるようにした。ら、そのうち馬鹿にしてるでしょ!と怒られた。

 

とにかく北欧に行くんだーその気持ちだけだった。しかし、いざこざしているうちに世間はGW突入、旅行会社も休みに入ってしまい、話が進まないまま時間だけ過ぎた。